光で変わる私の睡眠

夜中に目が覚めて光がまぶしいとき その後の眠りを大切にする工夫

Tags: 睡眠, 光, 夜間覚醒, 体内時計, 照明

夜中に目が覚めたとき、光とのつきあい方

年を重ねるにつれて、夜中に一度目が覚めてしまうことが増えたと感じる方もいらっしゃるかもしれません。トイレに起きたり、何かの音でふと目が覚めたり。そのような時、部屋の明かりをつけたり、手元にあったスマートフォンを見てしまったりして、その後の眠りが遠のいてしまう経験があるかもしれません。

私たちの体の眠りのリズムは、光によって大きく影響を受けています。特に夜間、強い光を浴びてしまうと、「まだ昼間だ」と体が勘違いしてしまい、眠りへと誘うホルモンの分泌が抑えられてしまうことがあります。これが、一度目が覚めると、なかなか再び眠りにつけない理由の一つとなることがあります。

しかし、もし夜中にうっかり強い光を浴びてしまったとしても、その後の過ごし方で眠りを大切にするための工夫があります。焦らず、穏やかに試せる方法を見ていきましょう。

うっかり強い光を浴びてしまった後のやさしい対処法

もし夜中に目が覚めて、電気をつけてしまったり、まぶしい画面を見てしまったりした場合、大切なのは、それ以上の光の刺激を避けることです。

1. すぐに強い光を消す、あるいは避ける

部屋の照明をつけてしまった場合は、必要な用事が済んだらすぐに消すようにしましょう。もしトイレなどで移動する必要がある場合は、足元を照らす程度の、ごく弱い光を利用することを検討します。廊下やトイレに、センサー式の小さなフットライトなどを設置しておくと便利です。強い光を直接目に浴びせないように、顔を背けるなどの小さな工夫も役立ちます。

2. 光の色と明るさに注意する

夜中に光を使う必要がある場合は、できるだけ暖色系の、オレンジっぽい光を選ぶのがおすすめです。青白い光に比べて、体内時計への影響が少ないと言われています。明るさも、必要最小限に抑えましょう。ぼんやりと足元が見える程度で十分です。

3. スマートフォンやタブレットの画面は見ない

特に注意が必要なのが、スマートフォンやタブレットの画面から出る光です。これらの画面からは、体内時計を狂わせやすい「ブルーライト」が多く含まれています。夜中に目が覚めてつい画面を見てしまうと、脳が昼間だと勘違いしてしまいやすく、眠りへの準備が中断されてしまいます。夜中に目が覚めても、これらの画面は見ないようにすることが大切です。もし時間を確認したい場合も、画面が暗い状態で時刻が表示されるタイプの時計を選ぶなど、工夫をしましょう。

4. 焦らず、静かに過ごす

一度目が覚めてしまうと、「また眠れないのではないか」と不安になりがちです。しかし、焦りはかえって眠りを遠ざけてしまいます。強い光を避けた後は、静かに横になり、目を閉じて深呼吸をするなど、リラックスできることを試みましょう。眠ろうと頑張りすぎるよりも、「次に眠気が来るのを待とう」とゆったり構える方が、自然な眠りにつながりやすいものです。

日中の光も大切にする

夜間にうっかり強い光を浴びてしまった場合の対処法は、あくまでその場の刺激を最小限に抑えるための工夫です。根本的に夜ぐっすり眠り、夜中に目が覚めにくくするためには、日中の過ごし方も大切です。特に、朝起きてからしっかりと太陽の光を浴びることは、体内時計をリセットし、夜に自然な眠気を感じるために非常に役立ちます。

夜中に目が覚めてしまうこと自体は、加齢とともに起こりやすくなる自然な変化の一つでもあります。その際に強い光を浴びてしまい、その後の眠りに影響が出てしまうのは避けたいことです。今回ご紹介したような、夜間の光とのやさしいつきあい方を少しだけ意識することで、もしもの時にも落ち着いて対応し、大切な眠りを守る助けとなるでしょう。