夜中に目が覚めたとき 知っておきたい光の注意点
夜中に目が覚めても大丈夫、光の工夫で心地よい眠りへ
年齢を重ねるとともに、夜中に一度目が覚めてしまうことが増えたと感じている方は少なくないかもしれません。すぐに眠り直せれば良いのですが、なかなか寝付けずに時間だけが過ぎてしまうこともあるものです。このようなとき、「どうしよう」と焦りを感じる必要はありません。大切なのは、その後の過ごし方です。特に、光へのちょっとした配慮が、再び心地よい眠りにつくための大きな助けになります。
なぜ夜中の光が眠りを妨げるのか
私たちの体には「体内時計」というものが備わっており、朝の光を浴びることでリセットされ、夜になると眠気を誘うホルモン（メラトニン）が分泌されるようになっています。この体内時計は、日中の明るさと夜間の暗さという光のリズムに深く影響を受けています。
夜中に強い光を浴びてしまうと、体が「朝が来た」と勘違いしてしまうことがあります。特に、脳を覚醒させる作用がある明るい光や、パソコンやスマートフォンの画面から出る光（ブルーライト）は、眠気を誘うメラトニンの分泌を抑えてしまい、体内時計を乱す原因となる可能性があります。これにより、目が覚めてしまった後の眠り直しが難しくなったり、その後の睡眠の質が低下したりすることが考えられます。
夜中に目が覚めた場合の光の注意点
もし夜中に目が覚めてしまっても、慌てずに、光への意識を少し向けてみてください。いくつかの簡単な工夫で、体内時計の乱れを防ぎ、再び自然な眠りにつきやすくなることが期待できます。
照明はできるだけつけない
まず第一に、必要がなければ照明をつけないのが理想的です。完全に暗い状態が、脳が再び眠りにつくのを最もサポートします。
やむを得ず照明をつける場合
トイレに行く際など、どうしても明かりが必要な場合は、いくつかの点に気をつけましょう。
- 弱く、暖色系の光を選ぶ: 強い光は避け、できるだけ弱い明るさの照明を選びます。また、青みがかった光よりも、オレンジ色や赤みがかった暖色系の光の方が、体内時計への影響が少ないと言われています。常夜灯のような控えめな明るさのライトを活用するのも良い方法です。
- 直接光を見ない: 照明の光が直接目に入らないように工夫します。足元だけを照らすようなフットライトなども有効です。
- 短時間で済ませる: 用事が済んだら、すぐに消灯します。
スマートフォンやパソコンの画面は見ない
夜中に目が覚めたとき、つい時間を確認したり、SNSを見たりするためにスマートフォンやパソコンの画面を見てしまうことがあるかもしれません。しかし、これらの画面から出る強い光、特にブルーライトは、脳を強く覚醒させてしまい、眠り直しをさらに難しくしてしまう可能性があります。夜中に目が覚めた際は、デジタル機器の画面を見ることは避けるのが賢明です。
早朝に目が覚めてしまった場合も同様に
まだ外が薄暗い時間帯に目が覚めてしまい、そのまま起きてしまう場合もあるかもしれません。このような早朝覚醒の場合も、カーテンを開けて明るい外の光を浴びてしまうと、体内時計がリセットされてしまい、それ以降眠りにつくことが難しくなります。まだ眠りたい時間であれば、カーテンは閉めたままにし、部屋を明るくしないように心がけることが大切です。
まとめ
夜中に目が覚めてしまうこと自体は、必ずしも特別なことではありません。大切なのは、その後の過ごし方で、光に少し気を配ることで、体内時計の乱れを防ぎ、再び自然な眠りへと戻りやすくなることが期待できます。
必要最低限の弱い光にする、暖色系の光を選ぶ、そしてスマートフォンやパソコンの画面は見ない。これらの簡単な心がけで、夜中の光が体内時計に与える影響を最小限に抑え、より質の高い睡眠を維持する助けとなるでしょう。焦らず、穏やかな気持ちで、光との良いお付き合いを続けてみてください。