旅先や慣れない場所でもぐっすり 光環境を整える簡単なコツ
いつもと違う場所での眠りについて
旅行やご家族・ご友人のお宅など、住み慣れた場所以外で夜を過ごされる機会があるかもしれません。環境が変わると、つい眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりすることがあると言われます。これは、無意識のうちに私たちの体にある「体内時計」が、新しい環境に少し戸惑ってしまうことが一因として考えられます。
体内時計は、朝になったら目を覚まし、夜になったら眠くなるという、体の自然なリズムを司っています。このリズムを整えるのに、実は「光」が非常に重要な役割を果たしています。いつもと違う場所でも、光の使い方を少し工夫することで、体内時計を整え、心地よい眠りを保つ助けになる可能性があります。特別な準備はほとんどいりません。身近な方法でできる光の調整のコツをいくつかご紹介します。
旅先や慣れない場所で実践できる光のコツ
場所が変わっても、体内時計の基本的なリズムは同じです。朝には明るい光、夜には穏やかな光を取り入れることを意識してみましょう。
1. 到着した日の昼間は明るい光を意識する
新しい場所に到着したら、できるだけ明るい光を浴びるように意識してみましょう。窓の外を眺める時間をとったり、可能であれば少し散歩に出てみるのも良いでしょう。これは、体に「今は朝（または昼間）ですよ」と伝える大切なサインになります。特に、いつもより早い時間帯に到着した場合など、日中の明るい光を浴びることは、新しい環境での体内時計のリズムを早く確立する助けになると期待できます。
2. 夜は部屋の照明を控えめに
自宅で実践されている方も多いかと思いますが、旅先でも寝る時間が近づいたら部屋の照明を暖色系の穏やかな明るさに調整することをおすすめします。ホテルの部屋などでは、天井の照明ではなく、スタンドライトだけを利用するのも一つの方法です。強い光、特に青白い光は脳を覚醒させてしまうことがありますので、眠りにつく数時間前から避けるように意識しましょう。本を読む際も、手元を照らす小さなライトを使うなど、部屋全体を明るくしすぎない工夫が良いでしょう。
3. 寝る前の光と寝室の暗さにも気を配る
自宅と同じように、寝る直前までスマートフォンやタブレット、テレビなどの画面の強い光を見るのは避けた方が良いでしょう。これらの機器から出る光も、体内時計に影響を与えることが分かっています。
また、寝室はできるだけ暗くすることが理想です。ホテルのカーテンは遮光性が高い場合が多いですが、もし光が漏れてしまうようであれば、タオルや持参したもので隙間を塞ぐなどの簡単な対策を試してみるのも良いかもしれません。光が気になる場合は、アイマスクを利用するのも有効な方法です。夜中に目が覚めてしまった場合も、強い光をつけないように注意し、必要であれば足元を照らす程度の弱い光にとどめることが望ましいです。
4. 朝は自然な光で目覚める
心地よく目覚めるためには、朝になったらカーテンを開けて自然な光を部屋に取り入れるのが理想的です。もし、窓から十分な光が入らない場合や、まだ外が暗い時間に起きる必要がある場合は、タイマー付きの照明などを活用するのも一つの方法です。朝の光を浴びることで、体内時計がリセットされ、その日の活動リズムが整いやすくなります。これが、次の夜の自然な眠気につながる大切なステップとなります。
まとめ
旅先や慣れない場所での滞在は、楽しみである一方で、睡眠のリズムが崩れやすいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、基本的な光の原則（昼は明るく、夜は穏やかに、そして朝の光を浴びる）は、場所が変わっても同じように活用できます。
今回ご紹介したような、ほんの少し光の使い方を意識する簡単な工夫は、新しい環境でも体内時計を整え、心地よい眠りをサポートする助けになると考えられます。これらのコツを思い出していただき、旅先でも「ぐっすり眠れた」と感じていただけたら幸いです。