夜中トイレに行くときのやさしい光 快眠を守るヒント
夜中に目が覚めた後の眠り、その光との関係
夜中に一度目が覚めてしまうと、その後なかなか眠りにつけないという経験をされる方は少なくないかもしれません。特にトイレのために起きる際に、パッと明るい光を浴びてしまうことが、眠りを妨げる原因の一つになっている場合があります。
私たちの体には「体内時計」というリズムが備わっており、この体内時計は朝の明るい光を浴びることでリセットされ、夜暗くなると眠気を誘うホルモンが分泌されるように働きます。夜中に強い光を浴びると、脳が「もう朝が来たのではないか」と勘違いしやすくなり、眠気を遠ざけてしまう可能性があるのです。
特に年齢を重ねると、体内時計のリズムがわずかに前倒しになったり、夜間の眠りが浅くなったりすることがあります。そのため、夜中のちょっとした光でも、若い頃よりも睡眠への影響を感じやすくなることがあります。
眠りを妨げにくい夜間トイレの光とは
では、夜中にトイレに行く際に、眠りを妨げにくいようにするためには、どのような光の工夫ができるのでしょうか。ポイントは「明るさ」と「光の色」です。
明るさは必要最低限に抑える
まず大切なのは、明るさを必要最低限にすることです。夜中に強い光を浴びると、目が覚めてしまうだけでなく、再び眠りにつくための体内時計のリズムを乱してしまうことがあります。
トイレまでの道のりやトイレ室内が安全であることが最も重要ですので、全く光がない状態は避けるべきです。しかし、昼間のような明るさは必要ありません。足元が見える程度、安全に移動できる程度の明るさで十分です。
廊下やトイレの電気スイッチを、明るさを調整できるタイプに変えることも一つの方法ですが、より手軽な方法としては、必要な場所にフットライトやセンサー付きの小さなライトを設置することが挙げられます。これらのライトは、夜間に立ち上がった時だけ点灯したり、必要最低限の範囲だけを照らしたりするため、眠りを妨げにくいと言えます。
光の色は暖色系を選ぶ
次に大切なのは、光の色です。電球色と呼ばれるオレンジがかった暖色系の光は、脳を覚醒させにくいと言われています。一方、昼光色のような青白い光は、脳を覚醒させる効果が強いとされています。
夜中にトイレに行く際には、廊下やトイレの照明を、電球色のものに変えてみることを検討してみてはいかがでしょうか。備え付けの照明器具の色を変えるのが難しい場合でも、先ほどご紹介したフットライトやセンサーライトの中には、電球色のものがありますので、そういったものを選ぶと良いでしょう。
また、夜中にどうしても部屋の電気をつける必要がある場合は、明るさを絞った電球色のスタンドライトなどを活用し、天井の強い光を避ける工夫も考えられます。
夜間の安全を確保しながら光を調整する
夜間のトイレのための光調整を行う上で、最も優先すべきことは安全です。暗すぎて足元が見えず、転倒してしまっては大変です。ご紹介したフットライトやセンサーライトは、必要な場所をピンポイントで照らすことで、安全を確保しながら強い光を浴びることを避けるのに役立ちます。
廊下の角や段差のある場所、トイレの入り口付近など、特に注意が必要な場所に設置することを検討してみてください。また、センサーライトは、立ち上がった動きを感知して自動で点灯するため、スイッチを探す手間も省け、よりスムーズに安全に移動することができます。
まとめ
夜中にトイレで目が覚めた後、なかなか眠りにつけないという悩みには、その際に浴びる光が影響している可能性があります。夜間に強い光や青白い光を浴びることは、体内時計のリズムを乱し、脳を覚醒させてしまうことがあります。
この記事では、夜間トイレの際に眠りを妨げにくい光の工夫として、明るさを必要最低限にすること、そして光の色を電球色のような暖色系にすることをご紹介しました。フットライトやセンサーライトを活用することで、安全を確保しながら、これらの工夫を手軽に実践することができます。
ご自身の生活スタイルに合わせて、これらの光の工夫を取り入れてみることで、夜中に目が覚めてしまっても、再びスムーズに眠りにつける可能性を高めることができるかもしれません。安全に十分配慮しながら、無理のない範囲で試してみてください。