光で変わる私の睡眠

眠りを妨げるスマホやテレビの光 適切なつきあい方

Tags: 光, 睡眠, 体内時計, ブルーライト, 生活習慣

日常生活に潜む、眠りを妨げる「光」とは

夜になってもなかなか寝付けない、眠りが浅く途中で何度も目が覚める、朝早くに目が覚めてしまう。年を重ねるにつれて、このような睡眠に関するお悩みを感じる方が増えることがあります。

睡眠の質が低下する原因は様々ですが、実は私たちの身近にある「光」も深く関わっている可能性があります。特に、毎日何気なく見ているスマートフォンやテレビ、パソコンなどの画面から出る光が、知らず知らずのうちに眠りを妨げていることがあるのです。

なぜ画面の光が睡眠に影響するのでしょうか

私たちの体には「体内時計」という仕組みが備わっています。この体内時計は、朝に太陽の光を浴びることでリセットされ、「今が朝だ」という情報を得て活動を始めます。そして、夜になって光が少なくなると、「もう夜だ、眠る時間だ」と判断し、眠気を誘うホルモン(メラトニン)が分泌されて自然な眠りに入りやすくなります。

ところが、夜遅くまでスマートフォンやテレビなどの画面を見ていると、画面から出る比較的強い光(特に「ブルーライト」と呼ばれる種類の光)が目に入ります。体は夜であるにも関わらず、この光によって「まだ昼間ではないか」と勘違いしてしまうことがあります。その結果、眠気を促すホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられてしまい、寝付きが悪くなったり、眠りが浅くなったりする可能性があるのです。

快適な眠りのための画面の光対策

では、画面から出る光と上手に付き合い、快適な眠りを守るためには、どのような工夫ができるでしょうか。日常生活の中で簡単に取り入れられる方法をいくつかご紹介します。

1. 寝る前の使用時間を控える

最も基本的で効果的な方法の一つは、寝る直前のスマートフォンやテレビの使用を控えることです。理想的には、寝る時刻の1〜2時間前からは画面を見るのをやめるのが望ましいとされています。この時間帯は、静かな読書をしたり、穏やかな音楽を聴いたりするなど、リラックスできる時間にするのが良いでしょう。

2. 画面の明るさを調整する

スマートフォンの設定で、画面の明るさを簡単に調整できます。夜間に使う際は、必要以上に画面を明るくしないように設定を見直してみましょう。明るさを下げるだけでも、目に入る光の量を減らすことができます。

3. 「ナイトモード」や「ブルーライトカット機能」を活用する

多くのスマートフォンやタブレット、パソコンには、「ナイトモード」や「ブルーライトカット機能」と呼ばれる機能が搭載されています。これらの機能をオンにすると、画面の色合いがオレンジがかった暖色系に変わります。これは、眠りを妨げやすいブルーライトを減らすための機能です。設定からこれらの機能を探して活用してみることも、夜の光対策として有効と考えられます。

4. 寝室に画面を持ち込まない工夫

寝室は眠るための場所として、できるだけ光の刺激を少なくすることが望ましい空間です。寝る前にスマートフォンを触る習慣がある場合は、寝室に持ち込まず、別の部屋に置いておくなどの工夫をしてみましょう。

画面の光と上手に付き合い、質の良い眠りへ

スマートフォンやテレビは私たちの生活に欠かせないものとなっていますが、その画面から出る光が夜の眠りに影響を与える可能性があることをご理解いただけたことと思います。

ご紹介した方法は、どれも日常生活の中で比較的簡単に実践できるものです。寝る前の画面を見る時間を少し減らしてみたり、画面の明るさを下げてみたり、「ナイトモード」を使ってみたり。小さな一歩からでも試してみてはいかがでしょうか。

画面の光と上手に付き合うことが、自然な眠気を誘い、ぐっすり眠るための助けになるかもしれません。快適な睡眠のために、身近な「光」との向き合い方を見直してみることは、きっと良い結果につながるはずです。