光で変わる私の睡眠

自宅で過ごす日の光の使い方 活動と休息を分ける照明のヒント

Tags: 光環境, 照明, 体内時計, 睡眠改善, 活動と休息

自宅で過ごす時間と睡眠の関係

年を重ねるにつれて、自宅で過ごす時間が増える方もいらっしゃるかもしれません。一日を家の中で過ごすことが多くなると、外の光を浴びる機会が減り、体内時計のリズムが乱れやすくなることがあります。体内時計は、私たちの眠りや目覚めのリズムを調整する大切な体の仕組みです。このリズムが崩れると、「夜になってもなかなか眠れない」「朝早く目が覚めてしまう」「日中うとうとしてしまう」といった、睡眠に関するお悩みが起こりやすくなります。

しかし、自宅にいても光の環境を意識的に調整することで、この体内時計を整え、より心地よい眠りにつなげることが期待できます。特に、一日のうちで「活動する時間」と「休息する時間」のメリハリをつけるために、光を上手に活用することが大切です。

活動時間には「明るく活動的な光」を

日中に自宅で作業や趣味、家事などで活動する時間帯には、明るく活動的な光を取り入れることをおすすめします。

太陽の光をしっかりと浴びる

もし可能であれば、日中は窓際で過ごしたり、窓を開けて自然光を取り入れたりすることを意識してみましょう。太陽の光は、体内時計をリセットする力が最も強いと言われています。午前中の光を浴びることで、「今は活動する時間だ」という信号が体に入り、夜に自然な眠気を感じやすくなることにつながります。雨や曇りの日でも、外の光には体内時計を整える効果がありますので、諦めずに窓辺に近づいてみてください。

部屋の照明を十分に明るくする

窓からの光だけでは不十分な場合は、部屋の照明を十分に明るくすることも効果的です。昼白色や昼光色といった、白っぽく明るい光は、脳を覚醒させ活動をサポートしてくれます。天井の照明をしっかりとつけたり、手元を照らすスタンドライトを活用したりして、活動しやすい明るさの環境を作りましょう。ただし、明るすぎる照明を長時間使うと目が疲れることもありますので、ご自身の心地よさに合わせて調整することが大切です。

リラックス時間には「穏やかで温かみのある光」を

夕方から夜にかけて、活動を終えて休息の準備に入る時間帯には、光の環境を穏やかなものに変えていくことが重要です。

メイン照明を落とし間接照明などを活用する

夜が近づいてきたら、日中使っていた明るい天井の照明を消し、スタンドライトやテーブルランプといった間接照明に切り替えてみましょう。光の色は、電球色のような暖かみのあるオレンジっぽい光がおすすめです。こうした穏やかな光は、体をリラックスモードへと導き、眠りを誘うホルモンであるメラトニンの分泌を妨げにくいと言われています。

照明の色温度を調整する

もし照明器具に調色機能があれば、夕食後からは光の色を電球色に設定してみましょう。暖色系の光は心を落ち着かせ、ゆったりとした気持ちで過ごすのを助けてくれます。部屋全体を均一に明るくするのではなく、必要な場所だけを優しく照らすようにすると、よりリラックスできる空間になります。

眠る前のスマホやタブレットの光に注意する

寝る前の時間は、特に強い光やブルーライトを含む光を避けることが大切です。スマートフォンやタブレット、パソコンの画面から出る光は、脳を覚醒させてしまい、なかなか眠りにつけなくなる原因となることがあります。寝る1〜2時間前からは、こうした電子機器の使用を控えるか、画面の明るさを最小限にしたり、ブルーライトカット機能を利用したりする工夫をしましょう。

光のメリハリが体内時計を整える

このように、日中は明るく活動的な光を浴びて体のスイッチをオンにし、夜は穏やかで暖かみのある光の中で過ごしてオフに向かう準備をすることで、体内時計に一日の中での明確なリズムを伝えることができます。この光によるメリハリが、夜に自然な眠気を感じ、朝心地よく目覚めるという、体内時計が本来持っているリズムを取り戻す助けとなるのです。

まとめ

自宅で過ごす時間が多い場合でも、光の使い方を意識することで、睡眠の質を改善できる可能性があります。日中の活動時には明るい光を、夕方から夜にかけては穏やかな光を選び、眠る前には強い光を避けること。これらのシンプルな工夫を日常生活に取り入れてみることから始めてみてはいかがでしょうか。光を味方につけて、心地よい眠りを育んでいきましょう。