日中の過ごし方と光 快眠を育む読書や趣味の時間
年を重ねるにつれて、夜中に目が覚めやすくなったり、朝早くに目覚めてしまったりと、睡眠の質に変化を感じる方は多いかもしれません。日中の過ごし方が、夜の眠りに深く関わっていることをご存知でしょうか。特に、読書や手芸など、集中して行う趣味の時間における「光」の使い方が、意外なほど夜の快眠につながることがあります。
日中の光が夜の眠りを整える理由
私たちの体には「体内時計」という仕組みが備わっており、約24時間周期で体の様々な働きを調整しています。この体内時計を正確に保つために最も重要な役割を果たすのが「光」です。特に朝の強い光を浴びることで、体内時計がリセットされ、夜に向けて眠気を誘うホルモン(メラトニン)の分泌が準備されます。
日中の活動時間帯に適切な光を浴びることも、この体内時計のリズムを整える上で大切です。日中に明るい環境で活動することで、体は「今は活動する時間だ」と認識し、夜には自然と眠りに入りやすい状態になります。逆に、日中ずっと薄暗い場所で過ごしていると、体内時計のリズムが曖昧になり、夜になっても十分に眠気を感じにくくなることがあります。
読書や趣味の時間に意識したい光の工夫
ご自宅で読書をしたり、編み物やプラモデル作りなどの趣味に没頭したりする時間は、ゆったりと心地よいひとときです。この時間帯の光を少し工夫することで、目の疲れを和らげるだけでなく、夜の快眠にも良い影響を与えることが期待できます。
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窓辺で自然光を活用する 可能であれば、日中の読書や趣味は窓の近くで行うのがおすすめです。太陽の光は室内照明よりもずっと明るく、体内時計を整えるのに効果的です。ただし、直射日光が強すぎる場合は、レースのカーテンなどで和らげると、目への負担が減り、快適に過ごせます。光の向きにも注意し、読んでいる本や手元に自分の影ができないような位置を選びましょう。
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適切な明るさの照明をプラスする 曇りの日や窓から離れた場所で作業する場合、自然光だけでは手元が暗くなりがちです。暗い中で無理に読書などを続けると、目が疲れて肩こりの原因になることもあります。デスクスタンドやフロアランプなどを使い、手元を十分に明るく照らすことを心がけてください。部屋全体の照明に加え、必要な場所に部分的な明るさを足すイメージです。
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作業に適した照明の色を選ぶ 照明の色にもいくつか種類があります。読書や細かい作業には、少し青みのある「昼白色」や「昼光色」といった色味の照明が適しています。これらの色は脳を活性化させ、集中力を高める効果があると言われています。ただし、夕方以降は暖かみのある「電球色」に切り替えるなど、時間帯によって照明の色を調整すると、体内時計のリズムを保ちやすくなります。
日中の光の工夫がもたらす効果
日中の読書や趣味の時間に光を意識して過ごすことは、単に手元が見やすくなるだけでなく、体にも良い影響を与えます。
まず、適切な明るさの中で活動することで、脳が十分に覚醒し、日中の活動的な状態を維持しやすくなります。これにより、夜とのメリハリがつき、夜には自然な眠気を感じやすくなります。
また、目に負担をかけない明るさで作業することは、目の疲れやそれに伴う頭痛、肩こりを軽減することにつながります。日中の体調が良いことは、夜の心地よい眠りにも繋がっていくものです。
まとめ
日中の読書や趣味など、ご自宅で過ごす時間におけるちょっとした光の工夫は、夜の快眠への第一歩となり得ます。窓からの自然光を上手に取り入れたり、必要に応じて手元を明るく照らす照明を使ったり、時間帯によって照明の色を調整したりすることで、体内時計を整え、心地よい眠りを育むことができるでしょう。特別な準備は必要ありません。今日からでも、ぜひ日中の光の使い方を意識してみてください。