光で変わる私の睡眠

入浴時の光を工夫して、深い眠りへ

Tags: 睡眠, 光, 入浴, リラックス, 快眠

就寝前の大切な時間と光の関係

年齢を重ねると、若い頃とは違う眠りの悩みが出てくることがあります。夜中に目が覚めてしまったり、朝早くに目覚めてしまったり、ぐっすり眠った感じがしないなど、さまざまです。これらの悩みを和らげ、心地よい眠りを取り戻すために、日々の生活の中でできる工夫を探している方も多いのではないでしょうか。

睡眠薬に頼りたくないという思いから、自然な方法での改善に関心を持たれる方もいらっしゃいます。実は、私たちの周りにある「光」が、睡眠の質に大きく影響を与えていることをご存じでしょうか。特に、寝る前の過ごし方は、その後の眠りに深く関わってきます。リラックス効果を高める入浴の時間も、その一つです。

なぜ入浴時の光が眠りに関わるのか

お風呂に入ると、体が温まり、心が落ち着くのを感じる方が多いと思います。このリラックス効果は、眠りに入りやすくするためにとても大切です。しかし、入浴する際の「光」も、このリラックスやその後の眠りに影響を与えることがあります。

私たちの体には、「体内時計」と呼ばれる仕組みが備わっています。この体内時計は、約24時間のリズムで、眠くなったり目が覚めたりするサイクルを調整しています。光は、この体内時計をリセットしたり、進めたり遅らせたりする強い力を持っています。

特に、眠気を誘うホルモンであるメラトニンは、暗くなると分泌が増え、明るい光を浴びると分泌が抑えられます。夜寝る前に強い光を浴びてしまうと、体が「今はまだ活動する時間だ」と勘違いしてしまい、メラトニンの分泌が十分に増えず、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。

入浴時の光の具体的な工夫

入浴は、通常、寝る前に行うことが多い習慣です。この寝る直前の時間にどのような光を浴びるかが、その後の眠りの質に影響してくるのです。ここでは、入浴時の光に関する簡単な工夫をご紹介します。

1. 明るすぎる照明を避ける

浴室の照明は、安全のために明るく設計されていることが多いかもしれません。しかし、寝る直前に真下から強い光を浴びると、目が冴えてしまうことがあります。もし可能であれば、浴室の照明を少し控えめにする、あるいは調光機能があれば明るさを下げることを検討してみてください。例えば、脱衣所の明かりだけを利用して浴室は少し暗めにする、といった工夫も考えられます。

2. 温かみのある光を選ぶ

蛍光灯のような青白い光よりも、電球色のようなオレンジがかった温かみのある光の方が、リラックス効果が高いと言われています。もし浴室の照明器具の電球の種類を変えられるようであれば、温かみのある色に変えてみることも一つの方法です。温かい色の光は、脳を鎮静させ、心身をリラックスさせる効果が期待できます。

3. 直接的な強い光を避ける

天井からの強い直接光ではなく、壁や床に光を当てるような間接的な光、あるいは湯船に浮かべる小さな防水ライトなどを補助的に使うことも、雰囲気を和らげ、リラックス効果を高める可能性があります。ただし、転倒などには十分注意し、安全を第一に考えてください。

4. 入浴中のデジタル機器に注意する

湯船に浸かりながらスマートフォンやタブレットを見る方もいらっしゃるかもしれません。これらの機器の画面からは、ブルーライトと呼ばれる強い光が出ています。この光は、特に体内時計に影響を与えやすく、寝る前に浴びるとメラトニンの分泌を妨げてしまう可能性があります。入浴中はデジタル機器から離れ、心身のリラックスに集中することをお勧めします。

無理なく続けられることから試す

入浴時の光を工夫することは、寝る前のリラックスを深め、自然な眠気を誘う助けとなる可能性があります。ご紹介した工夫は、すぐに全てを行う必要はありません。今の生活で取り入れやすいものから、一つずつ試してみてはいかがでしょうか。

これらの簡単な工夫が、日々の入浴時間をより心地よいものにし、結果として夜の眠りの質を高めることにつながるかもしれません。心地よい眠りのためには、光だけでなく、規則正しい生活リズムや適度な運動、バランスの取れた食事も大切です。光の工夫と合わせて、ご自身の体と向き合いながら、より良い眠りを目指してみてください。